今日は移動日でした。
帰りの飛行機の中で,急病の乗客のために医療関係者を探している旨のアナウンスがありました。
私が遭遇したケースでは,前回は(少なくとも名乗り出たのは)私一人だったのですが,今回は,私以外に2名からの申し出があったようです。
結局,専門が一番近い私が担当することになりました。
今まで私が機内で診た方の中では,あまりよくない状態でしたが,なんとか落ち着いてきて,途中で目的地以外に着陸することもなく,予定通りの時刻に帰ることができました。
(それでも午後7時からの会議にはかなりぎりぎりのタイミングになってしまいました。)
さて,今月の腫瘍学の専門ジャーナル(電子版)に,がんサバイバー(生存者)によるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が,米国のグループ(University of Pennsylvania School of Medicine)から報告されていました。
(
J Cancer Surviv. 2010 Oct 6.)
一般に,がんサバイバーを含むがん患者の間では,CAM利用率が高いことが知られています。
今回の研究では,2007年の全国健康調査(National Health Interview Survey)に基づき,がん生存者群と対照群(非がん患者群)との間で比較が行われました。
具体的には, 1,471 名のがんサバイバーを含む 23,393 名のデータが解析された結果,
がんサバイバーでは,66.5%が何らかのCAMを利用した経験があり,43.3%は過去1年間に利用していました。
対照群との比較では,
がんサバイバーは,一般的な疾病予防,免疫賦活,疼痛対策という目的でのCAM利用が有意に多かったということです。
(それぞれのオッズ比: OR;1.27, 95% CI 1.10-1.48,OR;1.32, 95% CI 1.05-1.62,OR;1.42, 95% CI 1.05-1.92.)
また,がんサバイバーは,CAMプロバイダーの推奨によってCAMを利用する割合が有意に高く(OR 1.54, 95% CI 1.26-1.88),
CAM利用を申告する傾向も有意に高い(OR 1.45, 95% CI 1.22-1.72)というデータが示されました。
以上のデータから,がんサバイバーによるCAM利用は顕著であることが示唆されます。
今後,統合腫瘍学によるエビデンスの構築と提供が求められます。
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